
皆さんこんにちは!
リペアセッペの更新担当の中西です!
さて今回のよもやま話では
~“原因に効く補修”~
補修は「壊れた所を埋める」ではなく、原因に効かせて再発を止める仕事。
本記事では、劣化診断→工法選定→品質管理を一直線につなぐ“現場の型”をまとめます。
目次
コンクリート:ひび割れ(乾燥・温度・荷重・沈下・鉄筋腐食)/エフロ/爆裂(かぶり不足・中性化)
タイル・石:浮き・剥離(下地不良・動き)/目地劣化
防水:膨れ・破断(下地含水・可塑剤移行)/入隅の切れ
金属:錆び・孔食(電食・塩害)
木部:腐朽・割れ(含水・紫外線)
“症状=結果”。まず**水(雨・結露)と動き(温度差・振動)**の通り道を見つけます。↔️
目視・打診・水平器:範囲を絞る
含水・pH・中性化:簡易検査で“濡れ・劣化度”を把握
配筋・かぶり・欠陥探査(電磁レーダ・探査器)
赤外線サーモ/ドローン:高所や広面を可視化
マッピング:平面図に症状・原因仮説・優先度を重ねて合意
診断結果は写真+数値+位置で“見える化”。見積・工法選定がぶれません。
コンクリートひび割れ
・動かない(乾燥・収縮):Uカットシール/表面含浸
・動く(構造・温度):エポキシ樹脂注入+可とうシール
爆裂・鉄筋腐食:斫り→防錆→断面修復(ポリマーセメント)→仕上げ
タイル浮き:アンカーピンニング+樹脂注入/張り替え(広範囲)
シーリング劣化:三面接着を避けるバックアップ材+プライマー→打替え
防水改修(屋上・バルコニー):ウレタン塗膜/改質ゴム系シート/FRP
→ 下地含水・通気と入隅補強を最優先設計
金属腐食:ケレン(規格)→防錆下塗→上塗/板金被覆
床・動線(工場・店舗):速硬化モルタル/半たわみ系で時短復旧
“下地処理8割”——清掃・素地調整・プライマーが仕上げの寿命を決めます。
環境管理:温湿度・下地含水の記録(雨後は無理をしない)
付着の確認:試験片/プルオフ試験/タイル打診音の記録
膜厚管理:塗膜・防水はウエット膜厚→乾燥膜厚でWチェック
止水確認:散水試験は範囲・時間・経路を記録
写真台帳:Before→下地→プライマー→主材→完了を同一角度で
高所・開口:親綱・二丁掛け・先行手すり
粉じん・騒音・臭気:集じん・散水・低臭材料、掲示とポスティング
有害物の疑い(アスベスト・鉛塗膜など):事前調査→届出→適正処理
居ながら改修:動線・仮囲い・作業時間帯を生活目線で設計
養生・下地清掃→2) ひびシールor注入→3) 目地打替→4) タッチアップ塗装→5) 清掃・是正
→ 臭気・騒音のピーク時間を事前に案内してクレームゼロへ。
症状:階下天井にシミ、雨後に滴下
原因:排水口付近のひび+防水の切れ
対策:注入止水→通気緩衝の局所防水→排水金物更新
結果:1か月監視で漏水ゼロ、走行感も改善✨
下地処理の範囲・規格/材料名・使用量/試験・台帳の有無/保証範囲
→ ここが曖昧だと、安く見えて高くつくことが多いです。
補修の成否は、原因特定×下地処理×品質記録で決まります。
診断から完了まで**“見える化”**し、再発しない補修で建物の寿命を伸ばしましょう。