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リペアセッペのよもやま話~part20~

皆さんこんにちは!

リペアセッペの更新担当の中西です!

 

さて今回のよもやま話では

~“原因に効く補修”~

補修は「壊れた所を埋める」ではなく、原因に効かせて再発を止める仕事
本記事では、劣化診断→工法選定→品質管理を一直線につなぐ“現場の型”をまとめます。


1|症状→原因の見立てマップ ️

  • コンクリート:ひび割れ(乾燥・温度・荷重・沈下・鉄筋腐食)/エフロ/爆裂(かぶり不足・中性化)

  • タイル・石:浮き・剥離(下地不良・動き)/目地劣化

  • 防水:膨れ・破断(下地含水・可塑剤移行)/入隅の切れ

  • 金属:錆び・孔食(電食・塩害)

  • 木部:腐朽・割れ(含水・紫外線)

“症状=結果”。まず**水(雨・結露)と動き(温度差・振動)**の通り道を見つけます。↔️


2|診断フロー(小〜中規模の定番)

  1. 目視・打診・水平器:範囲を絞る

  2. 含水・pH・中性化:簡易検査で“濡れ・劣化度”を把握

  3. 配筋・かぶり・欠陥探査(電磁レーダ・探査器)

  4. 赤外線サーモ/ドローン:高所や広面を可視化

  5. マッピング:平面図に症状・原因仮説・優先度を重ねて合意

診断結果は写真+数値+位置で“見える化”。見積・工法選定がぶれません。


3|工法選定:部位別の“効く一手”

  • コンクリートひび割れ
     ・動かない(乾燥・収縮):Uカットシール表面含浸
     ・動く(構造・温度):エポキシ樹脂注入+可とうシール

  • 爆裂・鉄筋腐食斫り→防錆→断面修復(ポリマーセメント)→仕上げ

  • タイル浮きアンカーピンニング+樹脂注入張り替え(広範囲)

  • シーリング劣化三面接着を避けるバックアップ材+プライマー→打替え

  • 防水改修(屋上・バルコニー):ウレタン塗膜/改質ゴム系シート/FRP
     → 下地含水・通気入隅補強を最優先設計

  • 金属腐食ケレン(規格)→防錆下塗→上塗板金被覆

  • 床・動線(工場・店舗):速硬化モルタル/半たわみ系で時短復旧

“下地処理8割”——清掃・素地調整・プライマーが仕上げの寿命を決めます。


4|品質管理の“型”

  • 環境管理:温湿度・下地含水の記録(雨後は無理をしない)

  • 付着の確認:試験片/プルオフ試験/タイル打診音の記録

  • 膜厚管理:塗膜・防水はウエット膜厚→乾燥膜厚でWチェック

  • 止水確認:散水試験は範囲・時間・経路を記録

  • 写真台帳Before→下地→プライマー→主材→完了同一角度


5|安全・周辺配慮

  • 高所・開口:親綱・二丁掛け・先行手すり

  • 粉じん・騒音・臭気:集じん・散水・低臭材料、掲示とポスティング

  • 有害物の疑い(アスベスト・鉛塗膜など):事前調査→届出→適正処理

  • 居ながら改修:動線・仮囲い・作業時間帯を生活目線で設計


6|“1日で変える”小規模補修の流れ(例)⏱️

  1. 養生・下地清掃→2) ひびシールor注入→3) 目地打替→4) タッチアップ塗装→5) 清掃・是正
    臭気・騒音のピーク時間を事前に案内してクレームゼロへ。


7|ミニケース:駐車場スラブの漏水止め

  • 症状:階下天井にシミ、雨後に滴下

  • 原因:排水口付近のひび+防水の切れ

  • 対策注入止水→通気緩衝の局所防水→排水金物更新

  • 結果:1か月監視で漏水ゼロ、走行感も改善✨


8|見積りの“見るべき欄”

  • 下地処理の範囲・規格材料名・使用量試験・台帳の有無保証範囲
    → ここが曖昧だと、安く見えて高くつくことが多いです。


まとめ ✨

補修の成否は、原因特定×下地処理×品質記録で決まります。
診断から完了まで**“見える化”**し、再発しない補修で建物の寿命を伸ばしましょう。