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月別アーカイブ: 2025年8月

リペアセッペのよもやま話~part21~

皆さんこんにちは!

リペアセッペの更新担当の中西です!

 

さて今回のよもやま話では

~“壊れる前に直す”~

修繕はコストではなく資産の延命投資
ここでは、建物オーナー・管理者・元請け向けに、予防保全×データ化×低環境負荷で回す補修運用を解説します。


1|予防保全のKPI設計 📈

  • ひび密度・浮き率・漏水件数・シーリング経年を指標化

  • 優先度=影響度×緊急度×費用年間・中期計画に落とす

  • **LCC(ライフサイクルコスト)**視点で「小さく早く」を基本戦略に


2|点検→計画の“リズム” 🗓️

  • 年1点検:外壁・屋上・バルコニー・共用部の見える化報告

  • 3〜5年ごとの精密診断:打診・赤外線・中性化・配筋探査

  • 中期修繕計画足場共有化(外壁+防水+シーリング同時)で仮設を一回にして効率化


3|材料・工法のアップデート 🧪🌡️

  • 低VOC/水性への切替で居ながら施工を円滑に

  • シラン系含浸/可とう型仕上でひび追従&中性化抑制

  • 速硬化樹脂・半たわみ停止時間を最小化(工場・店舗)

  • 遮熱・断熱塗装で空調負荷↓、屋根・外壁の快適性↑


4|DXで“迷わない・漏らさない”管理へ 📱🛰️

  • ドローン&点群:高所の劣化を安全に把握、数量拾いを自動化

  • 電子黒板×写真台帳:必須カットをテンプレ化、検索1秒

  • QR台帳:箇所ごとに過去の補修履歴・材料Lot・色番を紐付け

  • ダッシュボード進捗・苦情・事故ゼロ日数を共有し、全員の見える指標に


5|現場の省人化・時短オペ ⚙️⏱️

  • 予約スロット制で資材搬入と住民動線を分離

  • モックアップ・試験施工で“本番のやり直し”を回避

  • プレパック材料で計量ミスをゼロに、品質のバラつき抑制


6|環境配慮と近隣コミュニケーション 🌿🤝

  • 再生材・低温硬化の採用でCO₂と臭気を抑制

  • 騒音・粉じん対策(静音機器・集じん・散水)を掲示で可視化

  • 居ながら配慮においピーク・通行止時間を事前配信。お子様・高齢者優先動線を設ける


7|ケース:屋上防水“通気緩衝+排水改良”で再発ゼロ 💧🏢

  • Before:降雨後の室内漏水、既存シート下に結露水

  • 打ち手:下地含水測定→通気緩衝工法+脱気筒ドレン更新

  • After:1年監視で漏水ゼロ、夏季の室温上昇も抑制✨


8|“30日アップデート計画” 🗺️⚙️

  • Day1–7:全館点検→劣化マップ作成

  • Day8–14:優先順位と年計画を合意(足場共有の機会を設計)

  • Day15–21試験施工&住民説明会(臭気・騒音・動線)

  • Day22–30:本施工→台帳・保証をデータ納品→KPIダッシュボード稼働


9|発注前チェックリスト✅

[ ] 診断報告(写真・数値・位置)
[ ] 下地処理と試験方法の明記
[ ] 材料名・仕様書・膜厚・Lot管理
[ ] 施工計画(臭気・騒音・動線・天候基準)
[ ] 台帳・保証・定期点検の約束


まとめ ✨

予防保全×DX×環境配慮で、補修は“場当たり”から“設計された延命”へ。
見える化・時短・再発ゼロをキーワードに、資産価値と安全を同時に守りましょう。📊🧱🌈

リペアセッペのよもやま話~part20~

皆さんこんにちは!

リペアセッペの更新担当の中西です!

 

さて今回のよもやま話では

~“原因に効く補修”~

補修は「壊れた所を埋める」ではなく、原因に効かせて再発を止める仕事
本記事では、劣化診断→工法選定→品質管理を一直線につなぐ“現場の型”をまとめます。


1|症状→原因の見立てマップ ️

  • コンクリート:ひび割れ(乾燥・温度・荷重・沈下・鉄筋腐食)/エフロ/爆裂(かぶり不足・中性化)

  • タイル・石:浮き・剥離(下地不良・動き)/目地劣化

  • 防水:膨れ・破断(下地含水・可塑剤移行)/入隅の切れ

  • 金属:錆び・孔食(電食・塩害)

  • 木部:腐朽・割れ(含水・紫外線)

“症状=結果”。まず**水(雨・結露)と動き(温度差・振動)**の通り道を見つけます。↔️


2|診断フロー(小〜中規模の定番)

  1. 目視・打診・水平器:範囲を絞る

  2. 含水・pH・中性化:簡易検査で“濡れ・劣化度”を把握

  3. 配筋・かぶり・欠陥探査(電磁レーダ・探査器)

  4. 赤外線サーモ/ドローン:高所や広面を可視化

  5. マッピング:平面図に症状・原因仮説・優先度を重ねて合意

診断結果は写真+数値+位置で“見える化”。見積・工法選定がぶれません。


3|工法選定:部位別の“効く一手”

  • コンクリートひび割れ
     ・動かない(乾燥・収縮):Uカットシール表面含浸
     ・動く(構造・温度):エポキシ樹脂注入+可とうシール

  • 爆裂・鉄筋腐食斫り→防錆→断面修復(ポリマーセメント)→仕上げ

  • タイル浮きアンカーピンニング+樹脂注入張り替え(広範囲)

  • シーリング劣化三面接着を避けるバックアップ材+プライマー→打替え

  • 防水改修(屋上・バルコニー):ウレタン塗膜/改質ゴム系シート/FRP
     → 下地含水・通気入隅補強を最優先設計

  • 金属腐食ケレン(規格)→防錆下塗→上塗板金被覆

  • 床・動線(工場・店舗):速硬化モルタル/半たわみ系で時短復旧

“下地処理8割”——清掃・素地調整・プライマーが仕上げの寿命を決めます。


4|品質管理の“型”

  • 環境管理:温湿度・下地含水の記録(雨後は無理をしない)

  • 付着の確認:試験片/プルオフ試験/タイル打診音の記録

  • 膜厚管理:塗膜・防水はウエット膜厚→乾燥膜厚でWチェック

  • 止水確認:散水試験は範囲・時間・経路を記録

  • 写真台帳Before→下地→プライマー→主材→完了同一角度


5|安全・周辺配慮

  • 高所・開口:親綱・二丁掛け・先行手すり

  • 粉じん・騒音・臭気:集じん・散水・低臭材料、掲示とポスティング

  • 有害物の疑い(アスベスト・鉛塗膜など):事前調査→届出→適正処理

  • 居ながら改修:動線・仮囲い・作業時間帯を生活目線で設計


6|“1日で変える”小規模補修の流れ(例)⏱️

  1. 養生・下地清掃→2) ひびシールor注入→3) 目地打替→4) タッチアップ塗装→5) 清掃・是正
    臭気・騒音のピーク時間を事前に案内してクレームゼロへ。


7|ミニケース:駐車場スラブの漏水止め

  • 症状:階下天井にシミ、雨後に滴下

  • 原因:排水口付近のひび+防水の切れ

  • 対策注入止水→通気緩衝の局所防水→排水金物更新

  • 結果:1か月監視で漏水ゼロ、走行感も改善✨


8|見積りの“見るべき欄”

  • 下地処理の範囲・規格材料名・使用量試験・台帳の有無保証範囲
    → ここが曖昧だと、安く見えて高くつくことが多いです。


まとめ ✨

補修の成否は、原因特定×下地処理×品質記録で決まります。
診断から完了まで**“見える化”**し、再発しない補修で建物の寿命を伸ばしましょう。