
皆さんこんにちは!
リペアセッペの更新担当の中西です!
さて今回のよもやま話では
建物は時間とともに劣化します。しかし、適切な補修を行えば寿命は大きく延ばすことができます。そんな「建物の健康を守る」役割を担うのが補修工事の職人たちです。補修は単なる修繕ではなく、原因を読み、素材を選び、未来を見据える判断力が必要な専門技術です。
この記事では、補修工事の世界で“一人前”と認められる職人になるまでのリアルな道のりを、ステップごとに紹介します。
清掃、材料の準備、足場周辺の補助作業
ハンマー、コテ、グラインダー、刷毛などの道具の名前と使い方を覚える
「どの作業が何の目的で行われているのか」を理解する姿勢
職人の動きをよく観察し、「次に何が必要か」を察知する感覚を育てる
目標:「現場で“足手まとい”にならず動ける」状態を目指す
コンクリートの斫り(はつり)・クラック補修・左官補修
モルタルの練り・混合比率・塗り厚・乾燥時間の感覚を体得
防水材・接着剤などの塗布、養生の方法
材料が「どう動くか」「どう固まるか」を感覚で理解
クレームにならない「仕上がり感覚」へのこだわりを覚える
目標:「ひとつの補修箇所を任され、自力で施工できる」
構造体の腐食や中性化の見極め
ひび割れの種類(乾燥・構造・収縮)ごとの補修方法選定
雨天・温度差など、施工環境への対応
職長や他職種との調整
作業内容の説明・報告がスムーズにできるように
目標:「“現場の空気”を読んで適切に判断し、先手を打てる」
下地処理~仕上げまでの一連作業を高品質に完結
補修後に「補修したとは思えない」自然な仕上がりを実現
若手職人への指導と教育
トラブル時の冷静な対応、クレーム対応の知見
監督や元請けから「この人に任せれば大丈夫」と言われる存在になる
一人前とは:「技術だけでなく、安心と信頼を現場に与えられる人」
約5~8年程度が目安(個人差あり)
「失敗から学ぶ姿勢」を持ち続ける
単に作業を覚えるのではなく「“なぜ”を考える習慣」を持つ
素材・気候・建物ごとの違いを楽しむ好奇心
補修工事とは、「壊れたものを直す」ことを超えて、“建物を未来へつなぐ技術と心”を注ぐ仕事です。一人前になるには時間と経験が必要ですが、その道のりの中で身につけるのは、**技術とともに“人に信頼される力”**です。
皆さんこんにちは!
リペアセッペの更新担当の中西です!
さて今回のよもやま話では
外壁のひび割れ、防水層の劣化、コンクリートの剥離――建物を長く使い続けるために欠かせないのが補修工事です。しかし、「直すための工事」であるはずの補修工事では、想定外のトラブルがしばしば発生します。
この記事では、補修工事業において特に起きやすいトラブルとその背景、対策のあり方について、実務者の視点から深く掘り下げます。
外壁補修中に下地の腐食・錆・鉄筋露出が見つかる
既存の設計図に記載のない隠れた構造物の存在
調査・診断が十分でないまま施工に入るケース
図面と現況の乖離が多い古い建物
事前調査の徹底:打診・赤外線・X線など多様な非破壊検査の活用
想定外対応のマニュアル整備と発注者への事前説明
コンクリート補修後に剥がれや変色が発生
既存防水層と新規材料の化学反応による不具合
旧塗膜や既存材との化学的適合性を事前に確認していない
安価な材料の選定や、施工者の知識不足
材料メーカーとの協議・テスト施工
使用材料のデータシート(MSDS)・実績確認の徹底
補修部分と周囲の色・質感の違い
凸凹やツヤの差が目立ってしまい、「直したはずが目立つ」
部分補修の難しさ(既存材と新規材の風化差)
顧客の期待値とのズレ
カラー調整・意匠補修の技術力向上
事前に「補修跡が完全に消えない可能性」を丁寧に説明
仮設足場の転倒、工具や材料の落下
近隣建物への汚れ飛散、騒音・振動によるクレーム
短期工事・小規模工事で安全対策が軽視されがち
近隣配慮の手順が不十分
KY活動(危険予知)と近隣説明の事前徹底
養生シート・作業音配慮など周囲を意識した施工
雨天続きで防水施工が遅れる
想定外の補修量増加により工期オーバー
余裕のないスケジューリング
想定と現場実態の乖離
「工期の幅」を持った工程表と、発注者への早期報告
代替工法・応急対応の引き出しを持っておく
補修工事とは「壊れたものを直す」仕事であると同時に、「壊れそうな問題を先回りして防ぐ」知恵の仕事でもあります。だからこそ、トラブルを“予見し、説明し、回避する”力が、補修業者にとって最も大切なスキルの一つです。