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リペアセッペのよもやま話~part16~

皆さんこんにちは!

リペアセッペの更新担当の中西です!

 

さて今回のよもやま話では

【見えないリスクにどう向き合うか?】

 

 

補修工事で起きやすいトラブルとその防止策

はじめに

外壁のひび割れ、防水層の劣化、コンクリートの剥離――建物を長く使い続けるために欠かせないのが補修工事です。しかし、「直すための工事」であるはずの補修工事では、想定外のトラブルがしばしば発生します。

この記事では、補修工事業において特に起きやすいトラブルとその背景、対策のあり方について、実務者の視点から深く掘り下げます。


1. 【トラブル①】施工中の予想外の劣化発見

■ 事例

  • 外壁補修中に下地の腐食・錆・鉄筋露出が見つかる

  • 既存の設計図に記載のない隠れた構造物の存在

■ 背景

  • 調査・診断が十分でないまま施工に入るケース

  • 図面と現況の乖離が多い古い建物

■ 対策

  • 事前調査の徹底:打診・赤外線・X線など多様な非破壊検査の活用

  • 想定外対応のマニュアル整備と発注者への事前説明


2. 【トラブル②】材料や工法の“相性不良”

■ 事例

  • コンクリート補修後に剥がれや変色が発生

  • 既存防水層と新規材料の化学反応による不具合

■ 背景

  • 旧塗膜や既存材との化学的適合性を事前に確認していない

  • 安価な材料の選定や、施工者の知識不足

■ 対策

  • 材料メーカーとの協議・テスト施工

  • 使用材料のデータシート(MSDS)・実績確認の徹底


3. 【トラブル③】クレームに繋がる“仕上がりの違和感”

■ 事例

  • 補修部分と周囲の色・質感の違い

  • 凸凹やツヤの差が目立ってしまい、「直したはずが目立つ」

■ 背景

  • 部分補修の難しさ(既存材と新規材の風化差)

  • 顧客の期待値とのズレ

■ 対策

  • カラー調整・意匠補修の技術力向上

  • 事前に「補修跡が完全に消えない可能性」を丁寧に説明


4. 【トラブル④】安全管理の不備による事故・近隣トラブル

■ 事例

  • 仮設足場の転倒、工具や材料の落下

  • 近隣建物への汚れ飛散、騒音・振動によるクレーム

■ 背景

  • 短期工事・小規模工事で安全対策が軽視されがち

  • 近隣配慮の手順が不十分

■ 対策

  • KY活動(危険予知)と近隣説明の事前徹底

  • 養生シート・作業音配慮など周囲を意識した施工


5. 【トラブル⑤】工程遅延とそれに伴う信頼損失

■ 事例

  • 雨天続きで防水施工が遅れる

  • 想定外の補修量増加により工期オーバー

■ 背景

  • 余裕のないスケジューリング

  • 想定と現場実態の乖離

■ 対策

  • 「工期の幅」を持った工程表と、発注者への早期報告

  • 代替工法・応急対応の引き出しを持っておく


おわりに

補修工事とは「壊れたものを直す」仕事であると同時に、「壊れそうな問題を先回りして防ぐ」知恵の仕事でもあります。だからこそ、トラブルを“予見し、説明し、回避する”力が、補修業者にとって最も大切なスキルの一つです。