
皆さんこんにちは!
リペアセッペの更新担当の中西です!
さて今回のよもやま話では
~診断→設計→施工→検査を一気通貫でわかりやすく ~
原因を見極め、再発を防ぐ設計を行い、適材適所の材料と工法で施工し、数値と写真で検証してはじめて“良い補修”です。今回は、外壁・躯体・防水・仕上げまで、診断→設計→施工→検査→引き渡しの基本ラインを、今日から使える実務のコツ満載でまとめます。✨
補修の成否は最初の観察で8割決まるとも。
目視+触診:ひび割れ幅、方向、発生位置。触ると白粉が付く?→チョーキング。
打診:タイル・モルタルの浮き音を“コンコン”で確認。空洞は高音に。
含水・漏水経路:ピン式含水計、色水・発煙試験で水の旅路を特定。
鉄筋腐食サイン:赤錆滲み、爆裂(コンクリートかぶりの剥落)。
環境・運用:結露・日射・振動・塩害・酸性雨・設備ドレン逆流など。️
診断メモの黄金テンプレ
「部位/症状/規模/想定原因/再現条件/一次対策/恒久対策案/要協議先(板金・設備・電気)」の8項目で写真添付
“その場しのぎ”は最短で再発。方針はWレイヤーで。
対症:現症の安全確保・美観回復(例:エポキシ充填、パテ補修、仮防水)。
根治:原因を断つ(例:雨仕舞いディテール改修、伸縮目地追加、排水経路改善、材料変更)。
優先度:安全>漏水>劣化進行>美観。
サンプル&モックアップ:色・艶・テクスチャーは現地で原寸確認が鉄則。
ルール:外装は「水は上から下へ・風は横から」で考える。逆勾配、三面接着、毛細上昇はNGワード。
コンクリート欠損:ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタル、断面修復材。
ひび割れ(構造/非構造):
0.2mm未満→表面含浸・微弾性フィラー。
0.2〜0.5mm→低圧エポキシ注入。
0.5mm超・動くひび→Uカット&シーリング+目地化。
タイル浮き:アンカーピンニング+エポキシ樹脂注入 or 張替え。
防水:ウレタン塗膜(汎用・複雑面に◎)、FRP(高強度)、アスファルト(耐久)、シート(速い・均質)。
塗装:下地の含水・pHで選ぶ。アルカリ焼け対策はシーラー+乾燥。
金属部:ケレン度(Sa/3種)→防錆→上塗り。沿岸はフッ素樹脂や亜鉛リッチ塗装が有効。️
✨コツ:材料の「可使時間」「最小施工温度」「膜厚」と天候を同じ表に。養生日数込みで工程逆算
浮き・脆弱層の撤去:サンダー・ハツリ。粉塵対策と周辺養生を徹底。
清掃・脱脂:油分・汚れは密着の敵。高圧洗浄は飛散対策をセットで。
プライマー:材料相性に合わせ、塗布量と乾燥時間を厳守。
ひび:低圧樹脂注入は“少量多点”。吐出確認は裏面や横面で。
欠損:角を生かす下地成形→湿潤→材料充填。応力集中を避ける小R付け。
タイル:温度差対策で日陰での施工を優先。目地は二面接着で。
勾配確認:水たまりを作らない。1/100〜1/50が目安。
層間のインターバル:指触乾燥OKでも化学硬化が終わる時間を待つ。
色合わせ:上塗りはサンプルの“同ロット”で統一。
足場・高所:フルハーネス、親綱、荷揚げ計画。
粉塵・臭気:負圧集塵・低臭材・作業時間帯の配慮。
騒音:ハツリは時間制限、静音刃。掲示とチラシで事前告知。
雨天時:無理は禁物。含水で密着不良→再発の最短ルート。☔
写真台帳:着工前→撤去→下地→プライマー→本体→仕上げ→散水・通水。
数値:含水率、膜厚(コームゲージ)、付着(簡易引張)、pH、赤外での含水ムラ。
散水試験:開口・役物周りは負圧送風+散水で再現性UP。
合否基準:見た目だけでなく**“漏れない・剥がれない・たまらない”**を数値化。✅
症状:南面バルコニー直下の部屋で雨後に染み。タイルは浮き音多発。
原因:笠木の水返し不足+目地の三面接着+タイル空隙。
対策:笠木端部に毛細切り、目地はバックアップ材で二面接着、浮きはピンニング+エポ注入、一部は張替え。
検証:散水60分+負圧送風で漏れゼロ。写真台帳と図面で引渡し。
お金の内訳:仮設・撤去・下地・材料・養生・検査・写真台帳・予備費。
工程の握り:天候・乾燥・検査待ちを明文化。無理な短縮は再発コストへ。
LCC(ライフサイクル):初期安 vs 長寿命、10年合計で比較。
補修は**「原因×設計×相性×検証」**の総合格闘技。
対症+根治の二刀流で、再発しない・記録が残る・現場が気持ちいい補修を目指しましょう。次回は、居ながら改修・DX・サステナブル補修を深掘りします!